独擅場

【読み】どくせんじょう

【間違いから慣用化】

「どくだんじょう」と読む間違いが、慣用読みとなり、「独場」と書くように、慣用化した。

〔補足〕「擅」を「壇」と誤り、「ひとり舞台」の意から「独壇場 (どくだんじょう) 」となった。

【意味】その人だけが思うままに振る舞うことができる場所・場面。ひとり舞台。

【例文】

「それが終ると、いよいよ、庄屋、長百姓、町方等に、『よくもの言ふ者』をつれて出頭するようふれを出すのである。ここからがいよいよ恩田木工の独擅場なので、全文を引用してみよう。」<ベンダサン『日本人とユダヤ人』>

「おい、こんな安酒で、ごまかそうたって、当てが違うぜ」 下村孫九郎は、膝を崩して、せせら笑った。これからが彼の独擅場であった。」<松本清張『かげろう絵図(上)』>

 

〇「独壇場」の意味説明

集団の中で一人だけ群を抜いて活躍しているさま、その人だけが思うままに振る舞い他の追随を許さないさま、を意味する表現。いわゆる一人舞台の状態。

原則的に、「独壇場」と表現できるのは「活躍しているのが唯一人」の状況に限られる。
つまり、抜群に活躍している人が何人かいて、しのぎを削りつつ他を圧倒している、というような状況を「彼らの独壇場」とは言わない。