安/易(やす)〔接頭語〕

安/易(やす)

(形容詞「やすい」の語幹相当部分)
〔1〕《語素》

1.名詞と熟合して、平安・安穏の意を表す。

例:「やすくに」「やすむしろ」「うらやす」など。

2.名詞や動詞と熟合して、たやすくそうすること、そのようにしがちであることを表す。

例:「やす請け合い」など。

3.名詞と熟合して、その物の値段が安いこと、安くて粗末であることを表す。

例:「やすもの」「やすやど」「やすね」など。

また、金額を表す語に付いて、ある時点の価格と比べてそれだけ安くなっていることを表す。

〔2〕《名詞》

1.安いこと。安目。

2.盗みやすいことをいう、盗人仲間の隠語。

 

【「安」の付く語彙】

〇安玄関(やす‐げんかん)

意味:《名詞》やすっぽい玄関。貧乏旗本・御家人などの玄関。

〇安隠居(やす‐いんきょ)

意味:《名詞》やすっぽい隠居。

〇安淫売(やす‐いんばい)

意味:《名詞》安価で売春すること、また、その女。

〇安請合(やす‐うけあい)

意味:確信のある考えなしで軽々しく保証すること。また、深く考えもせず軽々しく引き受けること。

蜂蠆(ほうたい)とは

蜂蠆

【読み】ほう‐たい

【意味】蜂とサソリ。小さくても恐ろしいもののたとえ。

【文例】

「猛虎の猶予するは蜂蠆の螫を致すに如かず」<史記」淮陰侯伝>

《読み》もうこのゆうよするは、ほうたいのせきをいたすにしかず

《意味》猛虎はどんなに強くても、ためらっていては、蜂やサソリがちくりと刺すのにも及ばない。

《真意》力ある者でも決断力がなく実行しなければ、無力でなんの役にも立たない。

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【語彙説明】

〇螫(せき)・・・さす。毒虫がさす。毒をさされて赤くはれる。また、虫の毒。

芸帙(うんちつ)とは

芸帙

【読み】うんちつ
【意味】虫を防ぐために芸草(うんそう)を入れた書帙(しょちつ)。
転じて、書物、書巻のこと。

書帙(しょちつ)とは、和本を包み保護する布張りの覆い。

 

【「芸」について】

国語審議会の改変で「芸」は、元々の「芸」と「藝」の二つの意味を持つようになった。

1.「藝」の略字としての「芸」。(新字体とされた)

現在では、主にこの意味だけで使われる。

【音読】ゲイ
【訓読】う(える)、わざ

2.本来の「芸」。

元々はこの意味だけだった。

【音読】ウン
【訓読】くさぎ(る)

【意味】草の名前、ヘンルーダ。ミカン科の多年草。強いにおいがあり、書物の虫食いを防ぐために用いられる。

幺麼(ようま)とは

幺麼

【読み】よう‐ま

【意味】小さいことやもの。微小なもの。転じて、とるに足りないもの。つまらないもの。

【音読み】よう
【訓読み】おさな(い)、ちい(さい)
【意味】ちいさい。ほそい。おさない。いとけない。あどけない。=幼

【音読み】ば、は、ま、も
【意味】1.かすか。小さい。細かい。
2.か。や。疑問をあらわす助字。
3.接尾語。疑問詞などの後につけて語調を整える。
【熟語】麼虫(はむし)、恁麼(いんも)

 

恁麼

【読み】いん‐も
【意味】
1.(多く「の」を伴って連体詞的に用いて)疑問を表す。どのよう。いかよう。
<文例>「天地と我と恁麼の交渉かある」<漱石・吾輩は猫である>

2.(「に」を伴い副詞的に用いて)指示を表す。このよう。かくのごとく。
<文例>「動著は恁麼にあらざるなり」<正法眼蔵・仏性>
〔補説〕もと中国宋時代の俗語。禅宗とともに伝わり、禅僧の間で用いられた。

《日本大百科全書の解説》

「このような(に)」「そのような(に)」という意味の中国の俗語。いま話題にしている、あるいは顕現している事物の状態をさしていう近称の指示語。同義語に、異没(いも)、伊麼(いも)、与麼(よも)などがある。
また、禅宗では、言語によっては表しえない真実が、そのように顕現していることを示す場合にも用いられる。甚麼(じんも)、什麼(じゅうも)は「なんの」「どんな」などの意の疑問詞で、恁麼とは異なる。

泛駕(ほうが)とは

泛駕

【読み】ほう‐が

【意味】馬が興奮して指示に従わずに道をそれてしまうこと。

【四字熟語】「泛駕之馬」(ほうがのうま)

〔真意〕一般的な常識には従わずに別の方法をとる英雄のたとえ。

【出典】『漢書』「武帝記」

僂指(るし/ろうし)とは

僂指

【読み】る-し/ろう-し

【意味】

指を折って数えること。屈指

速やかに指折り数えること。また、速やかに指し示すこと。

【文例】畢には配偶の欠けたものまで僂指された(『土』長塚節)

【読み】しまい‐には‐はいぐう‐の‐か‐けたものまで‐るし‐された

乂安/艾安(がいあん)とは

乂安/艾安

【読み】がい‐あん/かい‐あん

【意味】世の中がよく治まって、安らかな・こと(さま)

【文例】

「君の領する所の帝国乂安なる能はず」<明六雑誌>

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乂る  【訓読み】か‐る
乂める 【訓読み】おさ‐める
乂   【音読み】がい

【意味】

1.かる。草をかる。刈
2.おさめる。おさまる。「乂安」「乂寧」
3.すぐれる。かしこい人。「俊乂」

〔漢検対象級 1級〕

餒饉(だいきん)とは

餒饉

【読み】だい‐きん

【意味】うえて、からだが衰える。

【文例】

「天候不良で人民の餒饉が心配だ」

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餒える 【訓読み】う‐える
餒る  【訓読み】くさ‐る
餒   【音読み】だい

【意味】

1.う(飢)え。うえる。ひもじい。「餒饉(ダイキン)」
2.くさる。魚肉がくさる。

〔漢検対象級 1級〕

提撕(ていせい/ていぜい)とは

提撕

【読み】てい‐せい/てい‐ぜい

【意味】

1.師が弟子を奮起させ導くこと。特に禅宗で、師が語録や公案などを講義して導くこと。

2.後進を教え導くこと。

3.奮い起こすこと。盛んにすること。

【文例】

「実行上に、新しい道徳を提撕し」〈花袋・描写論〉

〔漢検対象級 1級〕

卓犖(たくらく)とは

卓犖

【読み】たく‐らく

【意味】

1.すぐれて他からぬきんでていること。また、そのさま。

【文例】

「豪邁卓犖にして、…益々家学を弘む」〈田口・日本開化小史〉

「宝祚の護持を致す事、諸寺に卓犖せり」〈太平記・一五〉

2.この上なく、すぐれているさま。

【文例】

「卓犖たる将帥となり」〈中村訳・西国立志編〉

 

〔漢検対象級 1級〕