鮎魚(でんぎょ)とは

鮎魚

【読み】でんぎょ

【意味】なまず。鮎(あゆ)ではない。

【文例】鮎魚能く竹に上る
〔読み〕でんぎょ よく たけ に のぼる
〔意味〕ぬるぬるした体でも葉をかんで竹に登る。転じて、困難を克服して目的を果たす意。

<国宝-絵画。瓢鮎図(如拙筆)妙心寺退蔵院/京都>

瓢鮎図02

 

 

瓢鮎図の解説PDF

「瓢箪で鮎(なまず)を押さえる」という禅の公案を描いたのが「瓢鮎図」で、これに京都・五山の僧三十一人も参詩を書いた。
「鮎」は「あゆ」ではなく「なまず」のことで、通常、国字(日本の文字)で「鯰」と書くが、中国由来の「鮎」で表記されている。

残涯/殘涯(ざんがい)とは

残涯/殘涯

【読み】ざん-がい

【意味】

1.余命のこと。〔参考〕『富山女子短期大学紀要(18)』 出版年月:1983.04 p.35

2.残りわずかな生涯。〔参考〕『北陸古典研究(12)』 出版者:北陸古典研究会 出版年月:1997.10 p.119

3.残る生涯。余命。〔参考〕『夢花詩』 著者:若林欽堂 出版者:燔祭編集室 出版年月:1984.09 p.14

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【文例】

「五十わずカニ過ギテ鬢已びんすでしろ悠悠ゆうゆう心迹しんせき残涯ざんがいヲ送ル。詩夢ノ春草ヲフコト無カルケンヤ。」

『下谷叢話』 永井荷風・著 岩波文庫 2000年9月14日発行 252頁 2行目

婉約(えんやく)とは

婉約

【読み】えんやく

【意味】従順で謙遜。また、奥ゆかしくつづまやか。

『広漢和辞典』の解説 「婉約」PDF

【文例】

「時ニ殺気ヲ見ルノ間綿麗ノ語ヲナス。すなわちマタ黄鸝こうりノ百てんスルガ如ク、婉約えんやく喜ブベシ。」

『下谷叢話』 永井荷風・著 岩波文庫 2000年9月14日発行 193頁 12行目

小兒/小児(しょうじ)とは

小兒/小児

【読み】しょうじ

【意味】

一、ちひさい子。こども。幼者。

〔列子、湯問〕孔子東游、見兩小兒辯鬭。

〔史記、淮陰侯傳〕王素嫚無禮、今拜大将、如呼小兒耳。

〔漢書、西域下、車師後長城國傳〕殺校尉刁護及子男四人諸昆弟子男、獨遺婦女小兒。

二、自分の子をいふ謙辭。

〔呉志、孫皓傳、注〕小兒無徳致客、學者多貧、故爲廣被、庶可得與氣類接也。

〔北史、元行恭傳〕父文遙嘗謂盧師道曰、小兒比日微有所知、是大弟之力。

〔類書纂要〕自稱子曰賤息、又曰小兒・蠢頑・頑兒・小頑。

三、人を賤しめていふ語。つまらぬもの。小人。

〔晉書、陶潛傳〕吾豈能折腰、向郷里小兒耶。

〔老學庵筆記、六〕晉語、兒人二字通用、云云、陶淵明不欲束帯見郷里小兒、亦是以小人爲小兒耳、故宋書云郷里小人也。

四、小さい方の子。弟をいふ。轉じて、人物のすぐれた幼者をいふ。大兒の對。

〔後漢書、禰衡傳〕(禰衡)常稱曰、大兒孔文擧、小兒楊徳祖、餘子碌碌、莫足數也。

〔杜甫、徐卿二子歌〕大兒九齢色清徹、秋水爲紳玉爲骨、小兒五歳氣食牛、滿堂賓客皆廻頭。

五、唐代、給役の人をいふ。めしつかひ。こもの。

〔資治通鑑、唐紀〕(順宗、永貞元年)如宮市五坊小兒之類。

〔注〕小兒者、給役五坊者也、唐時給役者、多呼爲小兒、如苑監小兒・飛龍小兒・五坊小兒童、是也。

【参照】『大漢和辞典』巻五 大修館書店

【文例】

「小児ハ李太白/大児ハ劉伯倫」

『下谷叢話』 永井荷風・著 岩波文庫 2000年9月14日発行 156頁 7行目