兄哥(あにき/あにい/せなあ)とは

兄哥

【読み】あにき/あにい/あに/せなあ/あにや/にい

〈類語〉兄貴(あにき)

【意味】

1.兄を敬って、または、親しんでいう語。

2.若者・職人・やくざなどの間で、勢力があり、頭株(かしらかぶ)に推される者。

3.年上の男。

〔補説〕「あにぎみ」の音変化か。「貴」は当て字。

 

〈類語〉兄い(あにい)

【意味】

1.あに。

2.勇み肌の若者。また、その若者を呼ぶ語。「いなせな兄い」

 

〈類語〉兄(あに)

【意味】

1.きょうだいのうち、年上の男。⇔弟。

2.(「義兄」とも書く)妻や夫の兄。また、姉の夫。義兄(ぎけい) 。

3.(「あにさん」などの形で)年配者が若い男を親しんでいう語。

 

〈類語〉兄なあ(せ‐なあ)

【意味】

(「せ(兄)な」の音変化)<参考下段>

1.田舎の若い男性。

「村の佳人才子たる女 (あま) っ子せなあが屈竟の出合場処として」<魯庵・社会百面相>

2.兄。また、長兄。

「小梅のせなが柴の戸をたづねて」<人・梅児誉美・三>

「兄さんとしやれてせなあに逢ひに出る」<誹風柳多留9>

 

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【隠語としての「兄哥」(あにき)の意味】

比較的高級なる官吏、又は刑事、巡査等を云ふ。

【参考】

夫な/兄な/背な(せ-な)

(「な」は接尾語)女性が、夫・恋人または兄弟など親しい男性をいう語。

「ま遠くの野にも逢はなむ心なく里のみ中に逢へるせなかも」<万葉集 三四六三>

「おかみさん」「かみさん」「おかみ」「かみさま」

「おかみさん」「かみさん」「おかみ」「かみさま」の意味と漢字・当て字

1.「おかみ」は、古くは天皇陛下のことを指し示し「お上」。
「上」は「神」の意味した。
従って、「おかみ」は「お神」、「おかみさん」は「お神さん」、「かみさん」は「神さん」ともなる。

2.「お上」を「おかみ」または「上様」を「うえさま」と読むと、
貴人に対する尊称となり、古くは主に天皇陛下を指し、室町時代には大名を指した。
江戸時代には征夷大将軍を指したが、江戸幕府を意味することもあった。
現代では、官邸及び行政府を揶揄からかっ巷間ちまたで使われる。

3.「女将」と書いて「おかみ」と読む場合は、旅館や料理店などで、女主人などを指す。

4.「かみさん」と呼ぶ場合は、庶民が親しい間柄で、自分の妻、または他人の妻を指す。

5.「おかみさん」と呼ぶと、庶民が他人の妻や料理屋の女主人などを指す。

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御上(おかみ)
意味:〔参照:goo国語辞書〕
1.天皇の敬称。
2.朝廷・幕府や政府など、時の政治を執り行う機関。また、為政者。
3.(「女将」とも書く)旅館・料理屋・居酒屋などの女主人。じょしょう。
また旅館、食堂や相撲部屋などを取り仕切る女性を「女将(おかみ)」「女将さん」と呼ぶ。
ただし、本来は「御上さん」が正しい表記である。

上様(かみさま)
意味:〔参照:goo国語辞書〕
1.身分の高い人の妻を敬っていう語。奥方。
2.近世、商家や一般の人の妻を敬っていう語。おかみさん。
3.近世、上方で、隠居した良家の老女を敬っていう語。かみさん。

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★「おかみさん」の漢字、当て字

御上さん(おかみさん)
意味:〔参照:デジタル大辞泉〕
庶民が他人の妻や料理屋の女主人などを親しんで、また敬っていう語。

○「おかみさん」と読んだ文献

女房  『二重心臓』/ 夢野久作(著)
内君  『義血侠血』/ 泉鏡花(著)
老婦  『うつり香 』/ 近松秋江(著)
主婦  『うつり香 』/ 近松秋江(著)
内儀様 『大岡政談』/ 作者不詳(著)
内室  『貧乏 』/ 幸田露伴(著)
御内儀 『大岡政談』/ 作者不詳(著)
御内室 『塩原多助一代記』/ 三遊亭円朝(著)
細君  『血の文字』/ 黒岩涙香(著)

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★「かみさん」の漢字、当て字

上さん(かみさん)
意味:〔参照:goo国語辞書〕
1.商人・職人などの妻、また、その家の女主人を呼ぶ語。〔御上 (おかみ) さん〕に同じ。
2.親しい間柄で、自分の妻、または他人の妻を呼ぶ語。
3.「かみさま(上様)3」に同じ。–>近世、上方で、隠居した良家の老女を敬っていう語。

○「かみさん」と読んだ文献

女房  『ディカーニカ近郷夜話 後篇』/ ニコライ・ゴーゴリ(著)
内儀  『敵討札所の霊験 』/ 三遊亭円朝(著)
主婦  『うつり香 』/ 近松秋江(著)
内儀様 『闇夜の梅 』/ 三遊亭円朝(著)
女将  『白い下地』/ 泉鏡花(著)
女主人 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』/ ニコライ・ゴーゴリ(著)
女亭主 『藁草履 』/ 島崎藤村(著)
妻君  『みみずのたはこと 』/ 徳冨蘆花(著)
老妻  『田舎教師 』/ 田山花袋(著)
内室  『貧乏 』/ 幸田露伴(著)
内室様 『怪談牡丹灯籠』/ 三遊亭円朝(著)
家婦  『五本の指 』/ ルイ・ベルトラン(著)
細君  『越後獅子』/ 羽志主水(著)
細君様 『したゆく水 』/ 清水紫琴(著)

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★「おかみ」の漢字、当て字

御上(おかみ)
意味:〔参照:goo国語辞書〕
1.天皇の敬称。
2.朝廷・幕府や政府など、時の政治を執り行う機関。また、為政者。
3.(「女将」とも書く)旅館・料理屋・居酒屋などの女主人。じょしょう。
また旅館、食堂や相撲部屋などを取り仕切る女性を「女将(おかみ)」「女将さん」と呼ぶ。
ただし、本来は「御上さん」が正しい表記である。

○「おかみ」と読んだ文献

女将  『松のや露八』/ 吉川英治(著)
内儀  『銭形平次捕物控』「青葉の寮」/ 野村胡堂(著)
主婦  『死の接吻 』/ 小酒井不木(著)
御上  『吾輩は猫である 』/ 夏目漱石(著)
女房  『歌行灯 』/ 泉鏡花(著)
政府  『死せる魂』「または チチコフの遍歴」/ ニコライ・ゴーゴリ(著)
女將  『天満宮 』/ 上司小剣(著)
幕府  『血曼陀羅紙帳武士 』/ 国枝史郎(著)
御内儀 『銭形平次捕物控』「密室」/ 野村胡堂(著)
御神  『満韓ところどころ 』/ 夏目漱石(著)
公儀  『銭形平次捕物控』「大村兵庫の眼玉」/ 野村胡堂(著)
主君  『丹那山の怪』/ 江見水蔭(著)
官   『血煙天明陣 』/ 国枝史郎(著)
御主婦 『日本橋 』/ 泉鏡花(著)
公邊  『大岡政談 』/ 作者不詳(著)
警察  『魔都 』/ 久生十蘭(著)
慈善  『ジエィン・エア』/ シャーロット・ブロンテ(著)
龗神  『万葉秀歌 』/ 斎藤茂吉(著)
国庫  『死せる魂』「チチコフの遍歴」/ ニコライ・ゴーゴリ(著)
官権  『ディカーニカ近郷夜話 前篇』/ ニコライ・ゴーゴリ(著)
岡見  『福翁自伝 』/ 福沢諭吉(著)
御公儀 『大岡政談 』/ 作者不詳(著)
御家内 『七福神詣 』/ 三遊亭円朝(著)
徳川家 『顎十郎捕物帳』「御代参の乗物」/ 久生十蘭(著)
有司  『どんたく』「絵入り小唄集」/ 竹久夢二(著)
朝廷  『新・水滸伝 』/ 吉川英治(著)
淤加美 『古事記』/ 太安万侶、稗田阿礼(著)
私服  『魔都 』/ 久生十蘭(著)
細君  『春心 』/ 田中貢太郎(著)

打返す/打覆す/反覆す(ぶちかえす)とは

打返す/打覆す/反覆す

【読み】ぶちかえ‐す

【意味】

1.打たれた仕返しに、その人を打つ。先方へ打って返す。うちかえす。

2.(「ぶち」は接頭語)ひっくり返す。くつがえす。

3.くり返す。「反覆す(ぶちかえす)」とも書く。

縦書きで見る『日本国語大辞典』表記の「打返す」PDF

佚游(いつゆう)とは

佚游/佚遊/逸遊

【読み】いつゆう

【意味】気ままに楽しみ遊ぶこと。

【文例】「只日夜に佚游を事として」(太平記)

【参照】『大漢和辞典』 大修館書店

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縉紳/搢紳(しんしん)とは

縉紳/搢紳

【読み】しん-しん

【意味】《笏 (しゃく) を紳 (おおおび) に搢 (はさ) む意から》
官位が高く、身分のある人。

【文例】「縉紳の身ながらに笏や筆を擱 (お) いて、弓箭鎗太刀を取って
武勇の沙汰にも及んだ」(露伴・魔法修行者)

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龕像(がんぞう)とは

龕像

【読み】がんぞう

【意味】壁面などを彫りくぼめた龕の中に彫り込んだ像。小型の厨子ずし内に安置された仏像なども龕像という。

元来はインドや中国の石窟せっくつ寺院などに彫り込まれた龕像を模して独立させたもので、日本の古い遺品には大陸からの将来とみられるものが多い。

高野山金剛峰寺こんごうぶじの「枕本尊」といわれる『諸尊仏龕』 (国宝)、厳島神社の『釈迦、諸尊箱仏』などはその例。
小型の龕像は遊行の僧などが旅行中の持仏、守本尊として持歩いたものが多い。

【読み】がん
【意味】仏像を納めるため、岩壁を掘りくぼめた場所。古くインド、中国にその例がみられる。
のち扉つきの厨子に仏像を安置したものを仏龕ぶつがんという。

 

 

龕像

四川省の龕像

四川省の巴中南龕はちゅうなんがんは、化成山上にある摩崖造像群で、唐代の窟龕を中心に176龕、2,700余の造像が現存している。

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疎鹵/粗鹵/麁鹵(そろ)とは

疎鹵/粗鹵/麁鹵

【読み】そ-ろ

【意味】(「鹵」は、荒地、作物の育たない不毛の土地、また、「魯」に通じて、にぶい、おろかの意。)
粗末で役に立たないこと。疎漏でうるおいのないこと。また、そのさま。

【文例】「その議論をきくに、いづれも疎鹵膚浅なることになん有ける」<駿台雑話>

【参照】日本語大辞典 小学館

 

〇上記例文の中の熟語

膚浅

【読み】ふ-せん

【意味】思慮などの浅いこと。また、そのさま。あさはか。

 

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厭飫/饜飫(えんよ)とは

厭飫/饜飫

【読み】えん-よ
【意味】
1.物事に十分満足すること。また、その状態。
飲食や学問などに関していう。
2.物事が十分すぎて、うんざりすること。また、その状態。

【例文】
「しかし此等の証拠は皆未だわたくしの心を厭飫せしむるに足らなかった」<北条霞亭 森鴎外>

〔典拠:日本語大辞典 第二版〕〔漢検対象級 1級〕

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渺茫(びょうぼう)とは

渺茫

【読み】びょう-ぼう
【意味】ひろくはるか。限りなく広いさま。また、かすかではっきりしないさま。

【参照】『大漢和辞典』 大修館書店

【音読み】びょう
【訓読み】かす(か)、はる(か)
【意味】
1.ひろい。はるか。水などのはてしないさま。
2.小さい。かすか。ごく小さいさま。
3.小数の名。一の千億分の一。埃の十分の一。

【音読み】ぼう、もう
【訓読み】とお(い)、はる(か)、ひろ(い)
【意味】
1.とおい。はるか。ひろい。広々としたさま。果てしないさま。
2.ぼんやりした。はっきりとしないさま。つかみどころのないさま。

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渺漠/渺邈(びょうばく)とは

渺漠/渺邈

【読み】びょう-ばく
【意味】はてし無く広々としているさま。広漠。

【参照】『大漢和辞典』 大修館書店

【読み】びょう
【意味】
1.ひろい。はるか。水などのはてしないさま。
2.小さい。かすか。ごく小さいさま。
3.小数の名。一の千億分の一。埃の十分の一。

【音読み】ばく、まく
【訓読み】すなはら、ひろ(い)

【意味】

1.すなはら。水や草のない砂原。荒野。砂漠(さばく)。
2.広い。果てしなく広々としている。
3.しずか。さびしい。ものさびしい。ひっそりしている。
4.くらい。はっきりしない。ぼうっとしているさま。うつろなさま。

【音読み】ばく、まく
【訓読み】とおい
【意味】はるかである。遠い。

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