御多分に漏れず/御多分に洩れず
【読み】ごたぶん に もれず
「御多聞」と書く間違いが非常に多い。
【意味】世間と同じように。例外ではなく。
【例文】
「御多分に洩れずうちの会社も人手が足りない」
「何れ折の内の帰りは、小川か此店(ここ)がお定まりの建場だが、鳥渡(ちょっと)一口気をつけの後は、
内店の拾匁とするとも何様(どう)とも、何(いづ)れ御多分に洩れやすめへ」<人情本・春色梅美婦禰 五>
御多分に漏れず/御多分に洩れず
【読み】ごたぶん に もれず
「御多聞」と書く間違いが非常に多い。
【意味】世間と同じように。例外ではなく。
【例文】
「御多分に洩れずうちの会社も人手が足りない」
「何れ折の内の帰りは、小川か此店(ここ)がお定まりの建場だが、鳥渡(ちょっと)一口気をつけの後は、
内店の拾匁とするとも何様(どう)とも、何(いづ)れ御多分に洩れやすめへ」<人情本・春色梅美婦禰 五>
鴎外の漢詩の一片である。
【訓み下し文】一笑す 名優りて 質却って 孱きことを
【読み】いっしょうす めいまさりて しつかえって よわきことを
【訓み下し文】一笑す 名は優にして 質却つて 孱きことを
【読み】いっしょうす なはゆうにして しつかえって よわきことを
【訓み下し文】一笑す 名優 質却って 孱きことを
【読み】いっしょうす めいゆう しつかえって よわきことを
【眉雪の口語訳】(自分は)名誉を得たが、未だ中身が伴っていない。 一笑に付すべきだ。
【実際の意味】聞こえのいい学士号をもらったが、実際は、まだ浅学非才にすぎない。一笑に付すべきだと思う。
【語彙の読みと解釈】
実は、「名優」の読み方が、「めいゆう」と「めいまさりて」とに学者の見解が分かれている。
名優(めいゆう)の場合、「名優」とは名詞で「有名な俳優」のこと。
この「名優(めいゆう)」が、通説であった。(註1)
意味は、「聞こえがいい、または、エリート」と云うような比喩表現だろうと説明されている。
名優りて(めいまさりて)の場合、「名」は名詞で「優りて」は動詞。(註2)
小島憲之博士は、『ことばの重み-鴎外の謎を解く漢語-』の中で、「名(な)は優(ゆう)にして」と読む方がしぜんである。小説『舞姫』の中にも似た引用がある、と書かれている。
やはり、日本人としての肌合いからも、「名優(めいゆう)」はなかろう。
「名は優にして」または「名優りて」(めいまさりて)と読み下す方が極しぜんで解り易い、と感じる。
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【原文】一笑名優質却孱 依然古態聳吟肩
【訓み下し文】
一笑す 名(な)は優(いう)にして質却(しつかへ)つて孱(よわ)きことを、
依然(いぜん)たる古態(こたい)吟肩(ぎんけん)を聳(そび)やかす。
【出典】森鴎外『航西日記』の中の漢詩の一部抜粋
【参照】『ことばの重み-鴎外の謎を解く漢語-』 著・小島憲之 新潮選書 昭和59年(1984年)発行
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平成24年度 日本漢字能力検定試験1級(一)29問に 「名勝りて質孱し」と出題された。
恐らく「名優」論争に関わらない様、「優」を「勝」としたのではないか。
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【眉雪の追記】
〇「名優」論争に関係なく、この一行の大意は変わらない。
〇名優りて
名誉が実質に勝る=自分の実力より名誉が先行した、の意味。
〇鴎外が「一笑」した相手は自分自身であり、自分を戒めた意味。
現代で譬えると、弱冠十九歳の棋士・藤井聡太三冠(棋聖・王位・叡王)の謙虚な発言に散見される。「名優りて質孱し」の戒めと似た高い志を心中に秘めているに相違ない。
〇孱
〔音読み〕サン、セン
〔訓読み〕おと(る)、よわ(い)
〔意味〕1.よわい。小さくて弱々しい。2.おとる。おとっている。
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【註解】
註1.名優(めいゆう)と解釈した学者
神田孝夫教授(『若き鴎外と漢詩文』)
小堀桂一郎教授(『若き日の森鴎外』)
小田切進教授(『近代日本の日記』)
陳生保教授(『森鴎外の漢詩 上』)
註2.名優りて(めいまさりて)と解釈した学者
小島憲之教授(『ことばの重みー鴎外の謎を解く漢語ー』)は、従来の解釈に異を唱え「名(な)は優(ゆう)にして」と新解釈を示した。
これに同調したのが神田孝夫教授。従来の主張を撤回し「一笑す 名(な)は優(ゆう)にして質却って孱(せん)なることを」と訓むことに改めたい、とした。
「パチンコで有り金をスってしまった」「競馬で大金をスった」「信用取引で財産をスった」
の様に、ギャンブルなどで一瞬のうちにお金を使い果たしてしまう。
お金を溝(どぶ)に捨てる様な行為。「失った」と違い本人の恥じらいが滲む。
そんな意味の「する」とは、どんな漢字を用いるのか。
調べた結果、「擦る」が妥当だと結論した。<結論の記事はこちら>
その過程で調べた辞書ごとの内容を記事とした。
*———-*
『類語新辞典』(昭和56年発行) 「747取引」の欄では、「擦る」のみ1つを選んでいる。しかし、後の『類語国語辞典』(昭和60年発行)では、「擦る」「摩る」の2つを選んでいる。
「パチンコで有り金をスってしまった」「競馬で大金をスった」「信用取引で財産をスった」
の様に、ギャンブルなどで一瞬のうちにお金を使い果たしてしまう。
お金を溝に捨てる様な行為。「失った」と違い本人の恥じらいが滲む。
そんな意味の「する」とは、どんな漢字を用いるのか。
調べた結果、「擦る」が妥当だと結論した。<結論の記事はこちら>
その過程で調べた辞書ごとの内容を記事とした。
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『類語国語辞典』(昭和60年発行) 746費用の欄
「擦る」「摩る」を選んでいる。
しかし、前の『類語新辞典』(昭和56年発行)では「擦る」のみ1つ。
「パチンコで有り金をスってしまった」「競馬で大金をスった」「信用取引で財産をスった」
の様に、ギャンブルなどで一瞬のうちにお金を使い果たしてしまう。
お金を溝に捨てる様な行為。「失った」と違い本人の恥じらいが滲む。
そんな意味の「する」とは、どんな漢字を用いるのか。
調べた結果、「擦る」が妥当だと結論した。<結論の記事はこちら>
その過程で調べた辞書ごとの内容を記事とした。
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『日本国語大辞典』
文例で「擦る」「摺る」を示している。
「パチンコで有り金をスってしまった」「競馬で大金をスった」「信用取引で財産をスった」
の様に、ギャンブルなどで一瞬のうちにお金を使い果たしてしまう。
お金を溝に捨てる様な行為。「失った」と違い本人の恥じらいが滲む。
そんな意味の「する」とは、どんな漢字を用いるのか。
調べた結果、「擦る」が妥当だと結論した。<結論の記事はこちら>
その過程で調べた辞書ごとの内容を記事とした。
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『新明解国語辞典』は、
「擦る」を主とし「摺る」「磨る」を併記している。
「パチンコで有り金をスってしまった」「競馬で大金をスった」「信用取引で財産をスった」
の様に、ギャンブルなどで一瞬のうちにお金を使い果たしてしまう。
お金を溝に捨てる様な行為。「失った」と違い本人の恥じらいが滲む。
そんな意味の「する」とは、どんな漢字を用いるのか。
調べた結果、「擦る」が妥当だと結論した。<結論の記事はこちら>
その過程で調べた辞書ごとの内容を記事とした。
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『古典基礎語辞典』
日葡辞典(日本語⇔ポルトガル語)に「擦り」と説明されていると載っている。
「パチンコで有り金をスってしまった」「競馬で大金をスった」「信用取引で財産をスった」
の様に、ギャンブルなどで一瞬のうちにお金を使い果たしてしまう。
お金を溝に捨てる様な行為。「失った」と違い本人の恥じらいが滲む。
そんな意味の「する」とは、どんな漢字を用いるのか。
調べた結果、「擦る」が妥当だと結論した。<結論の記事はこちら>
その過程で調べた辞書ごとの内容を記事とした。
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『類語大辞典』(平成14年発行)は、
「擦る」を主とし「摩る」を併記している。
「パチンコで有り金をスってしまった」「競馬で大金をスった」「信用取引で財産をスった」
の様に、ギャンブルなどで一瞬のうちにお金を使い果たしてしまう。
お金を溝に捨てる様な行為。「失った」と違い本人の恥じらいが滲む。
そんな意味の「する」とは、どんな漢字を用いるのか。
調べた結果、「擦る」が妥当だと結論した。<結論の記事はこちら>
その過程で調べた辞書ごとの内容を記事とした。
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『漢検 漢字辞典』(平成13年発行)は、
「擦る」のみを選んでいる。
「パチンコで有り金をスってしまった」「競馬で大金をスった」「信用取引で財産をスる」
の様に、ギャンブルなどで一瞬のうちにお金を使い果たしてしまう。
お金を溝(どぶ)に捨てる様な行為。「紛失」と違い本人の恥じらいが滲む。
そんな意味の「する」とは、どんな漢字を用いるのか?
「する」には同訓異字の漢字が、
「擦る」「摩る」「磨る」「摺る」「擂る」「掏る」「刷る」「搨る」
など幾つか有る。
そのうち、前述の意味の候補は、「擦る」「摩る」「磨る」「摺る」「擂る」の6である。
詳しく調べて当然の1つに限定してやろうと意気込んだが、最終的には多数決せざるを得なかった。
調べた結果を先に言うと、
【結論】
「賭け事などによって持っているお金をすべてなくす」意味の「する」の漢字は、「擦る」が最も妥当だと思う。次点は「摩る」だろう。
【決定理由】
理由は、3つ。
1つ目は、大野晋氏が『類語新辞典』で選んでいたこと。
2つ目は、『日本国語大辞典 第二版』に文例が記載されていたこと。
「財産を擦ったってかまやしない」(『家族会議』横光利一)
3つ目は、『漢検 漢字辞典』(発行:漢検協会)で採用されていたこと。
【辞典に書かれていた意味】
すりへらしてなくしてしまう。費やす。使いはたす。
賭け事などによって、持っているお金をすべてなくす。
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ウエブ上で調べると、「擦る」「摩る」「磨る」が候補で、多数決なら「擦る」が優勢だ。
『コトバンク』は、「擦る」「摩る」。(『大辞林』第三版の解説より)
『漢字ぺデイア』は、「擦る」。(漢検協会の提供)
『デジタル大辞泉(小学館)』は、「擦る」「摩る」「磨る」。
『漢字辞典』は、「擦る」。
『広辞苑無料検索』は、「摩る」。<明鏡国語辞典3266では「擦る」とも併記>
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図書館で調べると、「擦る」「摩る」「磨る」「摺る」が候補である。
1.『日本国語大辞典 第二版』(小学館)の文例に「擦る」「摺る」の2つがあった。
「財産を擦ったってかまやしない」(『家族会議』横光利一)
「首尾よく借りた三両を、十両に仕ようと思ふ壺がからりと外れ、元手までも摺って仕まった素寒貧」
(『人情本・恩愛二葉草』畠山人)
2.『類語新辞典』(角川書店 著:大野晋)で「擦る」のみ選んでいたが、
後の『類語国語辞典』で「擦る」を主とし「摩る」も併記している。
3.『類語大辞典』(講談社)では、「擦る」を主とし〔「摩る」とも書く〕と併記している。
4.『新明解国語辞典』(三省堂)では、「擦る」とし〔「摺る」「磨る」とも書く〕と併記している。
5.『古典基礎語辞典』(角川学芸出版 編者:大野晋)では、「擦る」の解説項目で次の様に記載されている。
〔⑥すり減らして使い尽くす。「比喩xxx(擦り切った人、または、擦り切り)。
貧乏で、すでに使うべきものを何も持ってない人」<日葡>〕
6.『漢検 漢字辞典』(発行:日本漢字能力検定協会)では、「擦る」を採用している。
7.ちなみに『広辞苑 第三版』(岩波書店)では、「摩る」「擦る」「磨る」「擂る」の欄で、特に限定していない。
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