鼾を掻く(いびきをかく)
赤っ恥を掻く(あかっぱじをかく)
べそを掻く(べそをかく)
掻(搔)く
【読み】か‐く
【意味】あまり好ましくないものを表面にだす。
1.恥などを身に受ける。「赤っ恥を掻く」
2.涙や汗などをからだの外に出す。「寝汗を掻く」「べそを掻く」
3.いびきを立てる。「高いびきを掻く」
【その他の意味】
「掻く」の意味には、「指先やつめ、またはそれに似たもので物の表面を強くこする。」など多数ある。
今回は、前述の表記だけに限って妥当な漢字として調べた。
鼾を掻く(いびきをかく)
赤っ恥を掻く(あかっぱじをかく)
べそを掻く(べそをかく)
掻(搔)く
【読み】か‐く
【意味】あまり好ましくないものを表面にだす。
1.恥などを身に受ける。「赤っ恥を掻く」
2.涙や汗などをからだの外に出す。「寝汗を掻く」「べそを掻く」
3.いびきを立てる。「高いびきを掻く」
【その他の意味】
「掻く」の意味には、「指先やつめ、またはそれに似たもので物の表面を強くこする。」など多数ある。
今回は、前述の表記だけに限って妥当な漢字として調べた。
【読み】ひ、せいざんに せまりて、きそくえんえんたり
【意味】日(陽)が西の山にせまって、やがて没せんとするのに似て、息も絶え絶えの状況です。
【真意】老い先短く、死期が迫っているというたとえ。
【背景】晋の泰始(265~274年)中、李密は、武帝に召されて太子洗馬に除せられたが、年老いた祖母を面倒看なければならない故、詔を拝辞する意の上奏文がこの『陳情表』で、大意は次の通りである。
「私が居なければ高齢で死に瀕した祖母は余年を終え天寿を全うすることはできない。
孝道を以て天下を納めんとする陛下は、この私の苦衷を察して私の申し出を許して欲しい。
さすれば、祖母の死後は陛下にお仕えし節を尽くす御恩に報いる覚悟です。」
今回の「日西山に薄りて~」は、この中の上奏文の一節にあるものです。
【原文】
伏惟、聖朝以孝治天下。凡在故老、猶蒙矜育。
況臣孤苦、特為尤甚、且臣少仕偽朝、歴職郎署。
本圖宦達、不矜名節、今臣亡国賎不俘、至微至陋。
過蒙抜擢、寵命優渥。
豈敢盤桓、有所希翼。
但以劉日薄西山、気息奄々。
人命危浅、朝不慮夕。
【読み下し文】
伏して惟みるに、聖朝孝を以て天下を治む。
凡そ故老にありても、猶を矜育を蒙る。
況や臣が孤苦なる、特に尤も甚だしと為すをや。
且つ臣少くして偽朝に仕え、職を郎署に歴たり。
本より宦達を圖りて、名節を矜らず。
今臣は亡国の賤俘にして、至微至陋なり。
過って抜擢を蒙り、寵命優渥なり。
豈敢えて盤桓して、希翼する所有らんや。
但だ以うに、劉、日に西山に薄りて、気息奄々たり。
朝に夕べを慮られず。
【現代口語訳】
伏して思いますに、聖朝は孝の道徳を本として天下を治められます。
およそ有徳の高齢者は一段の憐れみと養いの恩恵を蒙っております。
まして臣のように孤立困苦の特に甚だしい者に至っては、なおさらお上の憐れみを頂けるはずであります。
それに臣は若くして偽りの朝廷であった蜀に仕え、尚書郎の官職を経ました。
臣はもとより官界での栄達を望みとし、民間において名誉や節操を誇ることは考えておりません。
今、臣は亡国の賤しい俘虜であって、至って微力の、至って下賤の身であります。
しかし、過ってこのような抜擢を蒙り、恵み深い恩命を拝しました。
どうしてぐずぐずとためらい渋って、他に何を願い望むことがありましょうか。
ただ思いますに、祖母の劉の寿命は、日(太陽)が西の山にせまってやがて没せんとするのに似て、息も絶え絶えの状況であります。
人の生命ははかなく危ういものですから、朝に夕べのことが予測できません。
【出典】李密『陳情表』 より一部抜粋
【参照】『新釈漢文大系 第82巻 文選(文章篇)上』 平成6年7月15日初版 p.289~294
*———-*———-*
【解説】
西山(せいざん)・・・「西山」は中国、北京市の西郊一帯の山地を示す場合もあるが、今回の場合は、「せいざん」と音読みするものの「日」が西日(陽)を指し、太陽が沈む「西の山」(にしのやま)の意味。
抑々、北京市の「西山(せいざん)」を李密が住む成都(蜀)からは到底望見することは出来ない。
李 密(り みつ、224年~287年)蜀漢・西晋に仕えた政治家。
西暦267年、西晋の初代皇帝となった司馬炎によって招聘された。だが、90歳を過ぎた祖母を置いて洛陽へ行くわけにはいかず、かといって勅命に背くわけにもいかなかった。
そこで李密は司馬炎に宛て、後世に『陳情表』(ちんじょうのひょう)と呼ばれる上奏文を表した。
祖母を思う李密の心情に心動かされた司馬炎は、州県に李密と祖母を手厚く保護するように命じた。
【読み】きんをやまにかくし、たまをふちにかくす
【意味】金は山にあるままにして掘り出さず、珠は淵に沈んだままにして取り上げない。
【真意】(黄金や宝石などを欲しがる)物欲を戒めたことば。
【原文】
君子明於此十者、則韜乎、其事心之大也。
沛乎、其為萬物逝也。
若然者、蔵金於山、蔵珠於淵、不利貨財、不近富貴、不楽壽、不哀夭、不栄通、不醜窮。
不拘一世之利、以為己私分。
不以王天下為己処顕。顕則明。萬物一府、死生同状況。
【読み下し文】
君子は此の十者に明かならば、則ち韜乎たり、其の心を事むることの大なるは。
沛乎たり、其の萬物の逝と為るは。
然るが若き者は、金を山に蔵し、珠を淵に蔵し、貨財を利とせず、富貴に近かず、壽を楽しまず、
夭を哀しまず、通を栄とせず、窮を醜とせず。
一世の利に拘して、以て己が私分と為さず。
天下に王たるを以て、己が顕に処ると為さず。
顕ならば則ち明かなり。萬物は府を一にして、死生は状を同じうす。
【現代口語訳】
君主は、以上の十のことがらがはっきりすれば、心の治めかたは広々と大きくなるであろうし、
徳が広くゆきわたって、万物の帰趨するところなるであろう。
かかる人物は、金は山にあるままにしておき、珠は淵に沈んだままにしておく。
そして、高価な物に心を引かれず、富貴に近づかず、長命を願わず、
短命を悲しまず、栄達を名誉と思わず、貧窮を恥辱とも考えず、巨万の利を釣りあげて一人占めしようともせず、
世の支配者だからといって、顕位にあることを意識しない。
顕位にあるときは、世の人々を公平に慈む。
(君主が以上のようにできるのは、)万物が一体であり、死生は同じことだと見ている(人生観)からである。
【出典】『荘子』天地第十二 より一部抜粋
【参照】『新釈漢文大系』「荘子 下」 昭和59年11月10日第25版 p.364~368
歌詠
【訓読み】うたながめ、うたよ(み)
【意味】(「ながめ」は歌を詠む意の動詞「ながむ(詠)」の連用形の名詞化)
歌を詠むこと。歌を口ずさむこと。諷詠(ふうえい)。
〔例文〕「月の夜の声もほそめに窓あけて心をやれる(歌詠)うたなかめかな」<藤原信実>
〔例文〕「都の歌詠(うたよ)みたちも、幾名か連れて来ておろうな」<「新書太閤記」第七分冊/吉川英治>
〔例文〕「当年二十四歳の男で歌詠(うたよ)みである。」<「正岡子規君」/伊藤左千夫>
【音読み】か‐えい
【意味】1.声を長くのばしてうたうこと。また、その歌声。
〔例文〕「声々天の楽を供養じ、仏の功徳歌詠す」<「四子講徳論」/王褒>
2.和歌を詠むこと。また、その和歌。
〔例文〕「晴雲院勧春日法楽歌詠遺之」<大乗院寺社雑事記‐文明二年(1470年)二月一〇日>
熱閙
【読み】ねっとう/ねつどう
【意味】人がこみあって騒がしいこと。また、そのさま。雑踏(ざっとう)。
<参照:日本国語大辞典>
【文例】「暫らく都門熱閙の地を離れて、身を閑寂たる漁村に投ず。
これ風流韻事の旅にあらず。自から素性を養ひて、心神の快を取らんとてなり」
<『客居偶録』北村透谷>
窗前/窻前/窓前
【読み】そうぜん
「窻」「窓」は、「窗」の俗字。
【意味】まどの前。窓の前。まど先。
<参照:大漢和辞典>
【文例】「団扇を握つて窻前に出れば、既に声を収めて他方に飛べり」
<『客居偶録 』北村透谷>
縦心
【読み】しょうしん
【意味】心をほしいままにする。從心。
縦・・・①ほしいまま。
イ.みだら。規格から逸脱すること。
ロ.自由自在。
②みだれる。みだす。
<参照:大漢和辞典>
【文例】都城繁労の人を羨む勿れ、人間縦心の境は爾にあり。
<『客居偶録 』北村透谷>
諱言
【読み】きげん
【意味】①忌み憚って遠慮すべき言葉。悪口。また、言うことを忌み憚る。
②いさめを拒む。他人の言を忌み嫌うこと。
諱(いみな)・・・実名。死者の生前の名。生前は名と言い、死後は諱と言う。
人が死ねば諡(おくりな)を称して、生前の名を忌み嫌うことから。
<参照:大漢和辞典>