『現代暇名遣批判と今後の國語教育』太田行藏

『現代暇名遣批判と今後の國語教育』は、国語教師を目指す方は、是非読んで欲しい一冊だ。

著者は、太田行藏氏。

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昭和21年(1946年)に第11回国語審議会の答申により「現代かなづかい」が告示される。

同じくして「当用漢字」の漢字制限及びローマ字教育といった一連の国語改革が行われた。

これらの国語改革と称する変更が、如何に愚かであったか。

多くの国語学者が反対し、論破しているにも拘わらず、時の政府は、施行した。

その背景にあったのは、 新聞社の後押しがあったからだ。

更に、日本人の識字率の高さを知らなかったGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)も口添えした。

2023年、米国のラーム・エマニュエル駐日大使が、「LGBTQなど性的少数者の人権保障を前提に日本も法整備すべきだ」と日本政府に強く抗議し、岸田前首相は、あっという間に進めた。これと一緒。愚行だ。

新聞社は、世界で最も手間のかかる凸版印刷(植字)に頭を悩めていた。

漢字制限をして貰えば、植字作業は一気に半分以下に減る。

これもまた愚行。20年後にコンピュータ化され、植字なんて作業は無くなった。今も昔も、新聞社は・・・。

渡りに船だったのだ。

日本の文化なんて関係ない。

太田行蔵(おおた こうぞう)

太田 行藏

【読み】おおた こうぞう/おほた かうざう

【略歴】

明治28年(1895年)生れ。(長野県)信州伊那出身。

大正6年 国学院大師範科卒。

旧制甲府中学~諏訪~松本高女学校教師を経て片倉工業学園講師。

昭和46年 国語問題協議会理事。

平成2年(1990年)2月 逝去、95歳。

【著書及び監修編集】

『登山』  健文社 昭和4年(1929年)
『憧れのキャンピング』 健文社 昭和6年(1931年)
『國文の單語』〔編集〕 開隆堂書店 昭和11年(1936年)
『國文法指針 學習受験』 健文社 昭和11年(1936年)
『國語敎育の現狀』 白水社 昭和16年(1941年)

『現代假名遣批判と今後の國語敎育』 日本弘報社 昭和23年(1948年)

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『國語の擁護 現代假名遣ひを駁す』〔共著〕 城北書房 昭和23年(1948年)
『日本語を愛する人に』 三光社 昭和31年(1956年)
『人間土屋文明論』 短歌新聞社 昭和46年(1971年)
『小倉百人一首』〔監修〕 三弥井書店 昭和48年(1973年)

冬雷創刊60周年記念刊行の文庫版
『現代仮名遣い表記「四斗樽」圧縮版』 冬雷短歌会・発行 令和3年(2021年)

【眉雪の独言】

太田行蔵氏の略歴がネット上に見当たらなかったので、未完成だが、取り急ぎ記事にした。