甍宇(ぼうう)

甍宇

【読み】ぼう‐う
【意味】棟宇(とうう)をいう。家屋。
<参照:大漢和辞典 大修館書房>

棟宇
【読み】とう‐う
【意味】 (「宇」は軒(のき)の意) 家屋のむねと軒(のき)。屋根。

甍(いらか)と瓦(かわら)の違い。
甍とは「瓦の屋根」を意味する。
瓦とは粘土を窯で焼いて作った「屋根を葺く材料」を意味する。

 

『大漢和辞典』表記の「甍」PDF

盧州 池田四郎次郎

池田蘆洲

〔いけだ ろしゅう、元治元年(1864)6月19日~昭和8年(1933)70歳没〕

漢学者。名はいんあざな公承こうしょう、通称は四郎次郎、蘆洲ろしゅうと号した。

大阪の人。東京に出て、三島中洲ちゅうしゅうの門に入り、陽明学を主とし、二松学舎専門学校、国学院大学の教授となる。

編著には、未完に終わった『史記補注』130巻のほか、『日本詩話叢書』10冊、『日本芸林叢書』10冊が刊行されている。

とくに『故事熟語大辞典』(1909初版)は、その後改定を加えて畢生ひっせいなりわいとなったが、
典拠を明示した類書の濫觴らんしょうとして、高く評価されている。

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

狂瀾を既倒に廻らす(きょうらんをきとうにめぐらす)

狂瀾を既倒に廻らす/狂瀾を既倒に廻す

読み:きょうらん を きとう に めぐらす/きょうらん を きとう に かいす

意味:「狂瀾」は荒れ狂う大波、「既倒」は既に倒れたという意。崩れかけた大波を、向こうへ押し返すということ。

真意:不利になった形勢を、再び元の状態へ戻すことのたとえ。

出典:韓愈『進学解』に「正統から遠ざかっていく学問を元の正しい姿に戻すのは、狂瀾を既倒に廻らすようなもので、とても苦労の多いことだ。」の一節がある。

参照:『故事成語を知る辞典』より

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意味:狂える如き大波が、頽(くず)れかかって来るを支えて、他の方面へ遣ることにて、邪道を正道に引き返すこと。

原文:尋墜緒之茫茫、獨旁捜而遠紹、障百川而東之、廻狂瀾於旣倒

出典:韓愈『進学解』

参照:『故事熟語大辞典』池田四郎次郎著より

 

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多くの辞書は、「狂瀾を既倒に返す」とも云うと説明されているが、これは間違い。

「廻らす(めぐらす)」の部分を、漢文調に「廻す(かいす)」と音読みして、これを「かえす」と聞き間違ったところから、「返す」と誤ったもの。

「めぐらす」または「かいす」が正しい。