中鎭/中鎮(ちゅうちん)とは

中鎭/中鎮

【読み】ちゅう-ちん

【意味】僧職。古、寺院の役僧の鎭の第二等のもの。

〔類聚三代格、三〕大・中・少鎭、撿挍、目代等之類。

【参照】『大漢和辞典』 大修館書店

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〇「鎮」は、寺務を統括する僧侶の役職という意味があり、これは奈良・平安初期に見られた役職で、三綱(さんごう)のさらに上位に位置するものでした。
大鎮・中鎮・小鎮の別があった。

〇鎭/鎮(ちん)は、平安時代の尼寺の僧職の名称。大別当おおべっとうに同じ。

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おお‐べっとう【大別当】
〘 名詞 〙

① 院の別当の一つ。院庁(いんのちょう)の別当数名のうち、本官が大臣であるものを呼ぶ。鎌倉時代以降の称。執事別当。

② 鎌倉鶴岡八幡宮などの、社僧の役職名。

【参照】『日本国語大辞典』 小学館

委墩(いとん)とは

委墩

【読み】いとん

【意味】墩は、物をずっしりと集積すること。委墩で、まかされて重くのしかかる意か。

【出典】『下谷叢話』 永井荷風・著 岩波文庫 2000年9月14日発行 15頁 4行目

意味は文庫本の「注」語彙説明(260頁)を引用。

田塍(でんしょう)とは

田塍

【読み】でんしょう

【意味】田のあぜ。田畠のうね。

〔劉禹錫、插田歌〕田塍望如線、白水光参差。

〔蘇舜欽、遊山詩〕崎嶇縁田塍、時又渉、狹磎。

田塍閒/田塍間

【読み】でんしょうのあいだ

【意味】田のあぜ道の閒。

〔頼山陽、耶馬渓圖卷記〕與含公南行、行田塍閒、至仙人巖。

【参照】『大漢和辞典』巻七 大修館書店

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市塵(しじん)とは

市塵

【読み】しじん

【意味】

1.市街しがいにたちこめるちりやほこり。

〔文例〕「四隣農事促、一径市塵稀」(出典:『蹈海集』三、服部元雄・著)

2.市中の雑踏ざっとう。町中のにぎわい。

〔文例〕「俗気都にも増せる市塵のうちに一夜を過せり」(出典:『三日幻境』北村透谷・著)
〔文例〕「願の如く市塵をのがれて」(出典:『不言不語』尾崎紅葉・著)

3.藤沢周平の長編小説。1988年刊行。儒者、新井白石を主人公に据えた歴史小説。第40回芸術選奨文部大臣賞受賞。

【参照】『日本国語大辞典』6巻 小学館

 

除災増福(じょさいぞうふく)

除災増福

【読み】じょさい-ぞうふく

【意味】災難や不運を払い、福祐ふくゆう増進を祈ること。

福祐・・・神のたすけ。神祐。転じて、幸福。さいわい。また、そのさま。

ちなみに、除災招福は 、災難や不運を払い、良い運や幸せを招き入れるように祈ること。

 

【神社仏閣の祈祷きとうの説明】

祈祷の説明に「神仏の加護かごを願い、言葉によって除災増福を祈ること。また、その儀礼」とある。この説明の中の「増福」は初耳だった。「招福」の間違いでは無いか、と神社仏閣ぶっかくの説明を調べてみた。

例1.曹洞宗・法岩院の「祈祷」の説明

神仏のご加護を願い、除災増福を祈ります。法岩院では、ご本尊お釈迦様、鎮守(道了尊さま)へ飲食・花・灯明・香を供え、読経いたします。

例2.曹洞宗・可睡斎の「御祈祷」の説明

御祈祷を受ける人々はその厳かな雰囲気の中、神仏のご加護を願い、除災増福を祈り、頭を垂れ、焼香を行います。

例3.日枝神社の「御祈祷(御祈願)」の説明

江戸時代、赤坂の溜池を望む星が岡に鎮まり、東都第一の大社にして将軍家、諸大名が事あるごとに御祈祷(御祈願)をした「祈りの岡」日枝神社。

除災招福祈願・・・災いを祓い除け、転じて幸福が来る事をお祈りいたします。

例4.若宮住吉神社の 「祈祷」の説明

除災招福とは 災いが続くのを絶ち、良いことが起こる流れになるよう、社殿の御神前にて祈念する祈祷。

例4.高野山増福院の縁起

当院は鎮守府将軍多田満仲公の末孫多田仲光の三男源賢和尚の開基によるものです。満仲公は元弘法大師を深く尊信し高野山を師崇していました。長徳三年病床に伏すや高野山に寺院を建立、弘法大師を讃仰し一門の「福祐増進を祈るべし」と遺言しました。増福院の院号はここから来ています。

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【追記】徳川家康公の遺言

徳川家康公は生前、家臣に対し、自分の死後について「遺体は駿河国の久能山に葬り、江戸の増上寺で葬儀を行い、三河国の大樹寺に位牌を納め、一周忌が過ぎて後、下野の日光山に小堂を建てて勧請せよ、八州の鎮守になろう」(『本光国師日記』より)との遺言を残されました。

東照宮(とうしょうぐう)とは、江戸幕府初代将軍の徳川家康を「東照大権現」として祀る神社である。

巫者(ふしゃ)/巫覡(ふげき)

巫者

【読み】ふ-しゃ

巫覡

【読み】ふ-げき

【意味】神に仕えて、祈祷きとうや神おろしをする人。「巫」は女性、「覡」は男性にいう。

【例文】「巫覡卜相ふげきぼくそうともがらまえこうべうつぶせんよりは」<幸田露伴「運命」>

 

【解説中の語彙説明】

祈祷

〔読み〕きとう

〔意味〕神仏の加護かごを願い、言葉によって除災増福じょさいぞうふくを祈ること。また、その儀礼。

〔例文〕「加持祈祷」