外套(がいとう)とは

外套

【読み】がいとう

【意味】防寒・防水などのために服の上から着るゆったりした外衣で、一般的に「コート」や「オーバー」と呼ばれる。

現代では「コート」という言葉が定着しているが、昔は「外套」という呼び方で定着していた。

男性用コート

〇バルマカーンコート(Balmacaan Coat)/ステンカラーコート
スコットランドの地名に由来する、「後方が高く、前方に向かって低い状態で折り返す襟」が特徴。日本では「ステンカラーコート」(和製英語)と呼ばれる。
シンプルで着回しのきくクラシックなアウターとして知られている。
ラグランスリーブ(肩の縫い目がない袖)を持つものが一般的です。

〇チェスターフィールドコート (Chesterfield Coat)
丈はやや長めが基本であり、膝程度が一般的で、見た目はフロックコートや背広に近い。19世紀に英国の「チェスターフィールド伯爵」が初めて着用したことに由来する。

〇ブッシュコート(Bush Coat)
二つの意味がある。一つは、カナダの森林労働者が着ていた厚手のウール地のコート。もう一つは、サファリジャケット(ブッシュジャケット)の異称。
ブッシュコートは、もともとアフリカの草原地帯での狩猟(サファリ)のために考案された衣服。そのため、機能性や丈夫さを重視したデザインが特徴で、1960年代以降、タウンウエアとしても普及した。

〇マッキントッシュ(Mackintosh Coat)
1823年創業の英国を代表するアウターウェアブランドで、「ゴム引きコート」が特徴。「ゴム引きコート」は、生地の間に天然ゴムを塗り圧着した防水布を使用したもので、ロンドンの雨天対策のために開発された。
現在では、この伝統製法を守りつつ、トレンチコートやダッフルコートなど様々なアイテムを展開している。

〇インバネスコート(Inverness Coat)
スコットランドのインバネス地方に由来する、長い丈のコートに肩を覆うケープが付いた外套。
丈の長いコートに、ケープを合わせたデザイン。コート部分に袖のあるものと無いものがある。日本では明治時代に伝わり、和服の大きな袖を邪魔しない実用性の高さから、和服用として「とんび」や「二重回し」などと呼ばれて流行した。

〇リーファーコート(Reefer Coat)
元々は帆船上の帆を巻き上げる水夫(reefer)が着用した、厚手のウール素材で作られた防寒用のショートコートを指す。
現在は、ピーコート(Pコート)に似た、ダブルブレスト(両前)仕立ての防寒コートを指す言葉として使われることもあり、
特に丈が長めでエレガントな雰囲気を持ち、洗練された印象を与えるコートを指すことが多い。

〇トレンチコート(Trench Coat)
「トレンチ」とは「塹壕(ざんごう)」を意味し、第一次世界大戦中にイギリス軍が塹壕で着用していた防水性の高い軍用コートに由来する。
デザインの特徴として、ダブルブレストの前開き、エポレット(肩章)、ガンフラップ(雨除けの当て布)、ウエストを絞るベルトなどがある。
現在では、機能性とファッション性を兼ね備えた定番のファッションアイテムとして、男女問わず広く親しまれている。
素材は、綿のギャバジン(綾織り生地)が伝統的。

〇アルスターコート(Ulster Coat)
アルスターコートとは、北アイルランドのアルスター地方に由来する、厚手の生地で作られたロング丈のオーバーコートです。
大きな襟(アルスターカラー)やダブルブレスト、バックベルトなどが特徴で、トレンチコートの原型とも言われています。