琴嚢
【読み】きん-のう
【意味】琴を藏めるふくろ。
【参照】『大漢和辞典』巻七 大修館書店
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【読み】じゅう-えん
【意味】すなおでやさしい。
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【追記】
婉柔〔読み〕えん-じゅう
『下谷叢話』(岩波文庫版)に「婉柔」という熟語が使われている。
複数の辞典で調べたが、残念ながら見当たらない。
勿論、出版社が確認しているであろうし、文庫版ではルビが振られているので解説者が検証しているとは思う。
しかし、「柔婉」と書くべきところを誤ったのではないか。どちらにしても、意味は同じであろうと思う。
【出典】『下谷叢話』 永井荷風・著 岩波文庫 2000年9月14日発行 71頁 10行目
「詩モマタ豪肆ソノ為人ノ若シ。シカモ時トシテ児女婉柔ノ語ヲナス。コレマタ奇ナリ。」
【読み】ぎん-がく
【意味】かぎり。邊際。極限。垠鍔。垠鄂。垠際。
【文例】「縹渺として前後垠鄂有る無し」
〔淮南子、俶眞訓〕未有形埒垠鄂。
〔杜甫、有事于南郊賦〕溟涬爲之垠鄂。
〔張衡、西京賦〕前後無有垠鍔。
〔注〕善曰、許愼曰、垠鍔、端崖也、銑曰、垠鍔、際畔。
〔王騰辨、蜀都賦〕羊腸繞其垠鍔、鳥道駕於至虚。
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【読み】へん-さい
【意味】はて。かぎり。ほとり。きし。際限。邊涯。
〔徐陵、東陽雙林寺傅大士碑〕色艶沉檀、香踰詹蔔、我有邊際、隨機延促。
〔孟浩然。洛中送奚三還揚州詩〕水國無邊際、舟行共使風。
【読み】そう-そう
【意味】寺のまど。「僧牕」とも書く。
【参照】『大漢和辞典』
僧窗(ソウサウ)
寺のまど。又。僧牕にも作る。
〔張耒、夜聞風雨有感詩〕何當粗息飄萍恨、卻誦僧窗聽雨詩。
〔陸游、長歌行〕成都古寺臥秋晩、落日偏傍僧牕明。
【読み】きょう-ぜん
【意味】心よいさま。満足するさま。
〔荀子、非十二子〕正其衣冠、斉其顔色、嗛然而終日不乙言、是子夏氏之賤儒也。
〔注〕嗛、與慊同、快也、謂自得之貌。
【参照】『大漢和辞典』巻二 大修館書店
【読み】ちゅう-ちん
【意味】僧職。古、寺院の役僧の鎭の第二等のもの。
〔類聚三代格、三〕大・中・少鎭、撿挍、目代等之類。
【参照】『大漢和辞典』 大修館書店
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〇「鎮」は、寺務を統括する僧侶の役職という意味があり、これは奈良・平安初期に見られた役職で、三綱(さんごう)のさらに上位に位置するものでした。
大鎮・中鎮・小鎮の別があった。
〇鎭/鎮(ちん)は、平安時代の尼寺の僧職の名称。大別当に同じ。
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おお‐べっとう【大別当】
〘 名詞 〙
① 院の別当の一つ。院庁(いんのちょう)の別当数名のうち、本官が大臣であるものを呼ぶ。鎌倉時代以降の称。執事別当。
② 鎌倉鶴岡八幡宮などの、社僧の役職名。
【参照】『日本国語大辞典』 小学館
【読み】なん-かくしき
古人の名。孔子の弟子。
子游等と同時の人。南伯子綦を見よ。
〔莊子、齊物論〕南郭子纂、隱几而坐、仰天而嘘。
〔釋文〕司馬云、居南郭、因爲號。
【眉雪の追記】
楚の昭王の庶弟(異母弟)。南郭は子綦が住んでいた所。
〔『新釈漢文大系』第7巻 老子・荘子(上)『斉物論』篇 p.152〕
【読み】なん-ぱくしき
戰國の人。南丘に遊んで大木を見、其の不材なるが故に、却って其の眞に大なるを知る。
又、南郭子綦・南伯子葵に作る。〔荘子、齊物論・人閒世・大宗師〕
【眉雪の追記】
『荘子』の中で
「南伯子綦は、南郭子綦(斉物論にみえる)と同じ。「伯」は長。従う道が貴く、物の長となりうるので、伯という。」
と解説されている。〔『新釈漢文大系』第7巻 老子・荘子(上)『内篇 人間世第四』篇 p.220〕
『荘子』の中で
「南伯子葵は、南郭子綦の誤りであろう。」
と、解説されている。〔『新釈漢文大系』第7巻 老子・荘子(上)『内篇 人間世第四』篇 p.259〕
【読み】いとん
【意味】墩は、物をずっしりと集積すること。委墩で、まかされて重くのしかかる意か。
【出典】『下谷叢話』 永井荷風・著 岩波文庫 2000年9月14日発行 15頁 4行目
意味は文庫本の「注」語彙説明(260頁)を引用。