蜂蠆(ほうたい)

蜂蠆

【読み】ほう‐たい

【意味】蜂とサソリ。小さくても恐ろしいもののたとえ。

<例文>

「猛虎の猶予するは蜂蠆の螫を致すに如かず」<史記」淮陰侯伝>

《読み》もうこのゆうよするは、ほうたいのせきをいたすにしかず

《意味》猛虎はどんなに強くても、ためらっていては、蜂やサソリがちくりと刺すのにも及ばない。

《真意》力ある者でも決断力がなく実行しなければ、無力でなんの役にも立たない。

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〇漢字の意味

【読み】せき

【意味】さす。毒虫がさす。毒をさされて赤くはれる。また、虫の毒。

 

〔漢検対象級 1級〕

芸帙(うんちつ)

芸帙

【読み】うんちつ
【意味】虫を防ぐために芸草(うんそう)を入れた書帙(しょちつ)。
転じて、書物、書巻のこと。

書帙(しょちつ)とは、和本を包み保護する布張りの覆い。

 

【「芸」について】

国語審議会の改変で「芸」は、元々の「芸」と「藝」の二つの意味を持つようになった。

1.「藝」の略字としての「芸」。(新字体とされた)

現在では、主にこの意味だけで使われる。

【音読】ゲイ
【訓読】う(える)、わざ

2.本来の「芸」。

元々はこの意味だけだった。

【音読】ウン
【訓読】くさぎ(る)

【意味】草の名前、ヘンルーダ。ミカン科の多年草。強いにおいがあり、書物の虫食いを防ぐために用いられる。

幺麼(ようま)

幺麼

【読み】よう‐ま

【意味】小さいことやもの。微小なもの。転じて、とるに足りないもの。つまらないもの。

【音読み】よう
【訓読み】おさな(い)、ちい(さい)
【意味】ちいさい。ほそい。おさない。いとけない。あどけない。=幼

【音読み】ば、は、ま、も
【意味】1.かすか。小さい。細かい。
2.か。や。疑問をあらわす助字。
3.接尾語。疑問詞などの後につけて語調を整える。
【熟語】麼虫(はむし)、恁麼(いんも)

 

恁麼

【読み】いん‐も
【意味】
1.(多く「の」を伴って連体詞的に用いて)疑問を表す。どのよう。いかよう。
<文例>「天地と我と恁麼の交渉かある」<漱石・吾輩は猫である>

2.(「に」を伴い副詞的に用いて)指示を表す。このよう。かくのごとく。
<文例>「動著は恁麼にあらざるなり」<正法眼蔵・仏性>
〔補説〕もと中国宋時代の俗語。禅宗とともに伝わり、禅僧の間で用いられた。

《日本大百科全書の解説》

「このような(に)」「そのような(に)」という意味の中国の俗語。いま話題にしている、あるいは顕現している事物の状態をさしていう近称の指示語。同義語に、異没(いも)、伊麼(いも)、与麼(よも)などがある。
また、禅宗では、言語によっては表しえない真実が、そのように顕現していることを示す場合にも用いられる。甚麼(じんも)、什麼(じゅうも)は「なんの」「どんな」などの意の疑問詞で、恁麼とは異なる。

泛駕(ほうが)

泛駕

【読み】ほう‐が

【意味】馬が興奮して指示に従わずに道をそれてしまうこと。

【四字熟語】「泛駕之馬」(ほうがのうま)

〔真意〕一般的な常識には従わずに別の方法をとる英雄のたとえ。

【出典】『漢書』「武帝記」

僂指(るし/ろうし)

僂指

【読み】る-し/ろう-し

【意味】

指を折って数えること。屈指

速やかに指折り数えること。また、速やかに指し示すこと。

 

【文例】畢には配偶の欠けたものまで僂指された (『土』長塚節)

【読み】しまい‐には‐はいぐう‐の‐か‐けたものまで‐るし‐された

乂安/艾安(がいあん)

乂安/艾安

【読み】がい‐あん/かい‐あん

【意味】世の中がよく治まって、安らかな・こと(さま)

<例文>

「君の領する所の帝国乂安なる能はず」<明六雑誌>

 

乂る  【訓読み】か‐る
乂める 【訓読み】おさ‐める
乂   【音読み】がい

【意味】

1.かる。草をかる。刈
2.おさめる。おさまる。「乂安」「乂寧」
3.すぐれる。かしこい人。「俊乂」

〔漢検対象級 1級〕

餒饉(だいきん)

餒饉

【読み】だい‐きん

【意味】うえて、からだが衰える。

<例文>

「天候不良で人民の餒饉が心配だ」

 

餒える 【訓読み】う‐える
餒る  【訓読み】くさ‐る
餒   【音読み】だい

【意味】

1.う(飢)え。うえる。ひもじい。「餒饉(ダイキン)」
2.くさる。魚肉がくさる。

〔漢検対象級 1級〕

提撕(ていせい/ていぜい)

提撕

【読み】てい‐せい/てい‐ぜい

【意味】

1.師が弟子を奮起させ導くこと。特に禅宗で、師が語録や公案などを講義して導くこと。

2.後進を教え導くこと。

3.奮い起こすこと。盛んにすること。

<例文>

「実行上に、新しい道徳を提撕し」〈花袋・描写論〉

〔漢検対象級 1級〕

卓犖(たくらく)

卓犖

【読み】たく‐らく

【意味】

1.すぐれて他からぬきんでていること。また、そのさま。

<例文>

「豪邁卓犖にして、…益々家学を弘む」〈田口・日本開化小史〉

「宝祚の護持を致す事、諸寺に卓犖せり」〈太平記・一五〉

2.この上なく、すぐれているさま。

<例文>

「卓犖たる将帥となり」〈中村訳・西国立志編〉

 

〔漢検対象級 1級〕

青瓷/青磁(せいじ)

青瓷/青磁

【読み】せい‐じ

【意味】

うわぐすりに含まれる鉄が還元されて、緑青色あるいは黄みを帯びた青色を呈する磁器。

中国で発達し、安南・朝鮮・日本などに伝わった。

青瓷

【読み】あお‐じ/おあ‐し

【意味】銅を呈色剤ていしょくざいとした緑色のうわぐすりを表面にかけた陶器。緑釉陶器。りょくゆうとうき

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呈色剤

【読み】ていしょく-ざい

【意味】ある物質を発色または変色させる調合した薬。