玄宮
【読み】げん – きゅう
1.天上北方の宮。又、北側にある宮殿。
〔荘子、大宗師〕夫道、云云、顓頊得之、處玄宮。
〔釋文〕玄宮、李云、顓頊、帝高陽氏、玄宮、北方宮也。
〔墨子、非攻下〕高陽乃命玄宮。
〔揚雄、羽獵賦〕麗哉紳聖、處於玄宮。
〔注〕善曰、玄、北方也、禮記月令曰、季冬、天子居玄堂右个、蔡邕月令章句曰、玄、黒也、其堂尚玄。
2.奥ふかい宮。
〔班倢伃、自悼賦〕潛玄宮兮幽以清。
3.室星をいふ。
〔事物異名録、乾象、室星〕星經、室曰營室、石氏謂之玄宮、一曰清廟。
4.御大葬の時、御陵所の靈宮を斂葬し奉る寳穴。
【参照】『大漢和辞典』大修館書店 諸橋轍次・著
*———-*———-*
【追記:語彙説明】
〇室星(はついぼし)
二十八宿の一つ。室(しつ)の和名。ペガスス座のα(アルファ)・β(ベータ)星にあたる。
室宿(しっしゅく)と書き、「はついぼし」とも読む。
〇御大喪(ごたいそう)
「大喪の礼/大喪ノ禮(たいそうのれい)」は、日本の天皇 、上皇の国葬であり、国事行為たる皇室儀礼で、日本国憲法下において「天皇(又は上皇)の葬儀」は、皇室典範第25条の規定に基づき国の儀式として執り行われる「大喪の礼」と、皇室の儀式として執り行われる「大喪儀」とに区別される。両者を合わせて「御大喪(ごたいそう)」ともいう。
〇御料所(ごりょうしょ)
天皇(皇室)及び幕府などのいわゆる「公儀」と称される公権力が直接支配した土地(直轄地)である。
料所(りょうしょ)・料(りょう)・御料(ごりょう)・料地(りょうち)・御料地(ごりょうち)等とも呼ばれる。家臣に与えられた所領(知行地)に対する概念でもある。
〇靈宮/霊宮(れいきゅう)
霊のお宮と書いてあって、祖先でもう亡くなっている人の霊魂を祀るお宮という意味。
〇斂葬(けんそう)
死者を墓穴などにおさめ葬ること。
「斂葬の儀」は一般的な葬儀でいう「本葬」にあたる。皇族の方が亡くなった際の葬儀を「斂葬の儀」と呼ぶ。
〇寶穴/宝穴(ほうけつ)
<不明>身分の高い方の「墓穴」を敬って「宝穴」と呼んだか?