楼鐙/樓鐙
【読み】ろう – とう
【意味】樓(楼)中のともし火。又、樓(楼)上で火をともす。
〔風俗通、怪神〕未冥、樓鐙、階下腹有火。
【参照】『大漢和辞典』大修館書店
【補足】「樓中/楼中」(ろうちゅう)とは、「たかどののなか」のこと。
高殿(たかどの)とは、「高く造られた建物。とくに御殿。高楼」
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【追記】
『下谷叢話』に「楼灯」という熟語が使われている。原文では「樓燈」。
複数の辞典で調べても、こんな熟語は見当たらない。
著者が「樓鐙」と書くべきところを「樓燈」と書いてしまったのであろう。
「鐙」の金篇を火篇と書いて「燈」としたのではないか。
「灯」と「楼」の前後入れ替えて「灯楼」の間違い、とも考えられるが、前者の方がしぜんである。
灯籠・・・灯楼とも書く。戸外用の灯火器。風から守るため,火炎部を囲う構造(火袋)をもつ。
「鐙」は、通常、馬の「あぶみ」として知られているが、「ともし火」の意味も持つ。
【出典】『下谷叢話』 永井荷風・著 岩波文庫 2000年9月14日発行 122頁 2行目