狂瀾を既倒に廻らす(きょうらんをきとうにめぐらす)

狂瀾を既倒に廻らす/狂瀾を既倒に廻す

【読み】きょうらん を きとう に めぐらす/きょうらん を きとう に かいす

【意味】「狂瀾」は荒れ狂う大波、「既倒」は既に倒れたという意。崩れかけた大波を、向こうへ押し返すということ。

【真意】不利になった形勢を、再び元の状態へ戻すことのたとえ。

【出典】韓愈『進学解』に「正統から遠ざかっていく学問を元の正しい姿に戻すのは、狂瀾を既倒に廻らすようなもので、とても苦労の多いことだ。」の一節がある。

【参照】『故事成語を知る辞典』より

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【意味】狂える如き大波が、頽(くず)れかかって来るを支えて、他の方面へ遣ることにて、邪道を正道に引き返すこと。

【原文】尋墜緒之茫茫、獨旁捜而遠紹、障百川而東之、廻狂瀾於旣倒

【出典】韓愈『進学解』

【参照】『故事熟語大辞典』 池田四郎次郎・著 宝文館

 

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多くの辞書は、「狂瀾を既倒に返(かえ)す」とも云うと説明されているが、これは完全な間違い。

「廻らす(めぐらす)」の部分を、漢文調に「廻(かい)す)」と音読みして、これを「かえす」と聞き間違ったところから、「返す」と誤ったもの。

訓読みで「めぐらす」または、音読みで「かいす」が正しい。

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